新着情報

2020年02月25日(火)

セミナーレポート

「基礎栄養学・食事関連のトラブル」セミナーレポート(前半)

奈良なぎさ先生

ペットフーディスト養成講座のスクーリングは年に2回開催されますが、2020年の1回目は2-3月。
今回は、そのうち2/15に開催した「基礎栄養学・食事関連のトラブル」の内容を少しご紹介します。

 

「消化」「吸収」「代謝」「排泄」の知識はとっても重要

「新しいフードに変えたらウンチが緩くなった。なぜだろう?」
「パッケージに書かれている給与量通りに与えているのに痩せるのはどうして?」

犬猫オーナー(飼い主)からのこういった質問に対して、どのようにアドバイスするかは、Q&A集を見て知っているけど、その裏にあるロジックを実は知らない…ということってよくあることですよね。

なぜそんな回答になるのか、身体の中ってどうなっているのか?
そういったことを正しく知っておくことで、「応用」がきくようになります。


「食事」が関わるトラブルや疑問に正しく向き合うには、必ず「栄養学」の知識が必要となります。
栄養学は難しくてとっつきにくいと思う方が多いと思いますが、難しい分子名や化学式、何が何ミリグラム必要なのかを覚えることが重要なのではありません。

 

栄養学は、「食事や食品、その成分である栄養素 が どのように生物の中で利用されたり影響しているか を研究する、栄養に関する学問」です。

 

今回のセミナーでは、「栄養学」に加えて、口に入った食べ物が最終的にうまく役立つには、身体のどの仕組みがどう働く必要があるのかを学べる内容でした。

つまり、「何を」「どのくらい」食べて、それが身体に入った後、どのように「消化」「吸収」「代謝」「排泄」されるか、というものです。

今回の講義を担当する奈良なぎさ先生曰く、これらを学ぶことで、食事にまつわる問題が発生したときに、「どこに問題がありそうか」をさかのぼって考えることができるようになるので非常に役立つんだそうです。

今回のセミナーの前半である「消化」「吸収」「代謝」「排泄」の講義のポイントを、一部ですがご紹介します。

講義のポイント

基礎栄養学概要

  • 人も犬や猫も、身体にとって一番大事なのは脂質・タンパク質・炭水化物の「3大栄養素」がしっかり必要量取れているかということ。
  • AAFCO基準は「犬や猫は何の栄養をどれくらい取ったらよいか」の目安だが、「何(食材)をどれだけ食べるか」という表現ではないため分かりにくく、とっつきにくい人が多い。そうなると「どのペットフードがいい・悪い」という議論だけになってしまうことが多いが、本来は大元の栄養学をしっかり押さえておく必要がある。
  • 栄養学は研究により考え方がどんどん変わっていくので、知識のアップデートが必要。

食べ物はどのように身体の中で役立つのか

  • 身体に入った食べ物は「消化」「吸収」「代謝」の過程をたどるが、どこかにひっかかりがあると身体の中でうまく活用できない。
  • 中でもまず大切なのは「消化」。消化されなかったものは排泄されるが、毎日同じ物を食べていても排泄物が多い・少ない日がある場合は、日によって消化される度合いが違うということ。
  • 「消化」に影響を与える要因には、「酵素がちゃんと分泌されているか」や「酵素がしっかり働く温度やphの環境になっているか」などがある。これらは食べさせ方や、食事の時間、食事前後の行動などにも左右される。
  • 「吸収」に関わる小腸、「排泄」に関わる大腸の環境を左右するのは、腸内細菌と食物繊維。(食物繊維は大腸のみ)
  • 消化、吸収、代謝、排泄のいずれにも「水」は必要不可欠。水和状態が大切。

 

次回は、当セミナーの後半「人、犬、猫の栄養学の違い」「食事のトラブル」のレポートをお届けします。


ペットフーディスト養成講座は、修了後も資格を保有していれば、スクーリングに何度でも無料で参加できます。

新着情報へ戻る