犬と猫のための愛情クリスマスレシピコンテスト2022
入賞作品

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冬の養生薬膳湯かけごはん

材料

【ごはん】
・うなぎ白焼き 75g
・ほうれん草 50g
・うるち米+紫米 120g
・にんじん 30g
・烏骨鶏卵 1個
・あまに油 3g

【スープ】
・鹿茸 薄くスライスしたもの2片
・烏骨鶏肉手羽 2本
・にんじん 20g
・干し椎茸 3個
・しめじ 80g
・花弁茸 1片から2片
・大棗 3粒
・生姜 薄くスライスしたもの3-5片
・水 ひたひたになるくらい

カロリー

777Kcal

作り方

【ごはん】
(1)うるち米と紫米を合わせて普通に炊く。(前夜から水に浸しておくと紫色が濃くでます。)
(2)枸杞を水に浸して戻しておく。
(3)うなぎをさっと湯がき塩抜きをする。
(4)ほうれん草を茹で、刻んで搾りあまに油と合わせておく
(5)にんじんを茹でる
(6)炒り卵を作る
(7)セルクルの片側にラップをし、彩りよく詰めていく。詰め終わったら逆さまにしてラップを外し、セルクルをそっと抜く。
(8)最後に枸杞、炒り卵を飾り付け、うなぎを載せます。
注意:クリスマスの飾りはシュガーなどで出来てるため与えません。

【スープ】
(1)前夜干し椎茸を水に浸けてもどしておく。
(2)烏骨鶏の手羽は軽く湯掻き臭みと汚れを取り除く。
(3)土鍋に烏骨鶏肉、にんじん、干し椎茸、しめじ、花弁茸、大棗、生姜、鹿茸を入れ、干し椎茸の戻し汁と水を入れて火にかける。
(4)沸騰してきたら灰汁を取り、蓋をして弱火で60分煮込む。
(5)鹿茸、大棗、生姜は取り出します。

与えるときは、烏骨鶏肉は骨を外し、きのこ類、にんじんと一緒にフードプロセッサーにかけ、人肌のスープと混ぜ合わせ、ごはんにかけてあげてください。
ごはんにのせてあるトッピングの鰻も細かく刻みます。

こんなパートナー向けのレシピです

・腎が虚弱なチワワ、15歳、メス、4kg
・活発なビーグル、10歳、オス、10kg
・普通の運動量のビーグル、10歳、オス、11kg
・ミニチュアダックスフンド、3歳、メス、5kg

※わんこ合同でクリスマスパーティーの際、犬たちにもケーキをと思って作りました。晩ごはんを少なめに与え、ケーキを皆で分けて与えます。 強いてあげるならば、一番食べて欲しいチワワの杏だけで考えるとするならば、おおよそ3日分(6食分)の量になります。 またスープに余剰分がでるときは、一食分ずつ冷凍してトッピングとして使用出来ます。

レシピのこだわり・込めた想い

クリスマスは陰が最も極まる冬至(2022年は12月22日)に近いため、特に寒さからの腎の低下を考慮し、気血が凝滞しないよう、腎を温めることが何より大切だと考えました。
15歳のチワワの杏は、腎精が衰え定期的に点滴を受けなければならず、また9歳のビーグル&ビーグルは腎精の衰えが垣間見える頃、腎気を補い、腎陽を高め、腎陰を補うクリスマスレシピを考えてみました。また高齢となった杏の臓器の弱まりを考慮し、咀嚼しなくても負担がかからずに温かな食材が身体に入っていくよう、スープという形態にしてみました。


食材の説明
【ごはんに用いた食材】
・鰻 [性味]平、甘 [帰経]脾・肝・腎
「気」や「血」を補い、腎と肝の働きを高めます。疲れからくる体力の低下や、老化防止、また年齢からくる目の症状を考え鰻を使いました。

・枸杞子[性味]甘、平 [帰経]肝・腎・肺
肝腎の陰も陽を穏やかに補う「平補肝腎之品」と言われ、腎精と腎陰と腎陽の不足を補います。また目の改善が考えられます。

・烏骨鶏全卵[性味]甘、平 [帰経]肝・腎・脾
烏骨鶏の卵は薬学書「本草綱目」にも記載された薬膳食材であり、滋養強壮に優れ、高い栄養効果があり、日本でも古くから珍重されてきました。

・紫米
生命力が強く、紫色はアントシアニンを多く含んでいるためで、抗酸化作用が高く、眼精疲労、老化防止などに優れています。また古くから祝いの米として用いられ、クリスマスにぴったりだと思いました。

・ほうれん草[性味]甘、涼 [帰経]肝・胃・大小腸 
温性の食材を多く用いるため、涼性のほうれん草を加えることで、バランスを取りました。ほうれん草は血を補い、陰液を潤すため、乾燥した冬に使いたい野菜のひとつです。

・人参[性味]甘、平 [帰経]肺・脾・肝 
βカロテンが豊富で、皮膚や粘膜を保護し健康に保ちます。

【スープに用いた食材】
・鹿茸[性味]甘・鹹、温 [帰経]肝・腎
腎の衰えからくる様々の症状に有効で「精」を補う生薬として鹿茸に勝るものは思い浮かびませんでした。
鹿茸は補腎陽と同時に補精血が出来、精血同源の考えから血を養うと考えます。
また筋骨を強くし、陽虚による婦人科系の症状(特に寒涼性の症状である宮冷不妊)に効果を発揮すると考えられています。
また鹿茸が手に入らない場合鹿角でも代用が可能です。鹿茸と同様に使用しますが、鹿茸より効力は劣ります。

・薬用鶏(烏骨鶏)
薬膳では『五味五色』の考え方があり、肝は青 心は赤 脾は黄 肺は白 そして腎は黒に属すると言われ、腎を強くするためには黒色の食材を食べると良いと言われています。
烏骨鶏は皮膚、筋肉、内臓、骨まで黒い色をしており、疲労回復、高い滋養効果に優れています。

・大棗[性味]甘、微温 [帰経]脾・胃・心・肝
大棗は生姜と配合することで、生姜の刺激性を緩和し、食欲を増進させ消化を助け、他薬の吸収を良くさせることができます。

・生姜[性味]辛、微温 [帰経]肺・脾・胃
体を温め発汗を増強させ、体表面にいる寒邪を追い出します。また食欲不振に効果を発揮します。

・干し椎茸[性味]鹹甘、平[帰経]胃・肝 
気を補い、腎機能を高めると考えられています。

・しめじ[性味]甘、涼[帰経]腎・肺 
気や血を補い、通便作用を考慮しました。

・花弁茸 
腸を整える食物繊維βグルカンが豊富に含まれています。

きのこを数種入れた理由
高齢になると体内の水分量が減少し、便秘になりがちです。そのため食物繊維が必要で、きのこには「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の両方が含まれています。
「水溶性食物繊維」はコレステロールの排出に役立ち「不溶性食物繊維」は腸を刺激して蠕動運動を促し便秘の解消を助けます。
高齢の杏は便秘がちで、踏ん張ることも体に負担がかかるため、通便作用に効き、気血を促すように気を付けました。

スープには烏骨鶏肉を入れ、更に食いつきがよくなるよう工夫して、体に良く安心して与えられ、美味しいと思えるスープごはんで楽しい時間を過ごさせてあげたいと思います。

出品者

白果実生