ペットの食事と仕事 豆知識
2020年8月11日、ペットフーディスト養成講座では、受講生向けにオンラインスクーリングの一つ【薬膳セミナー】を開催しました。「オンラインスクーリングって?」「薬膳ってどんな知識がつくの?」をご紹介します。
ペットフーディスト養成講座の「スクーリング」って?
ペットフーディスト養成講座のスクーリングは、テキストで行う通常学習に“プラスの学び”を提供するもので、1年に2回開催しています。
2020年の夏開催(8-9月)は、テキストの中から以下のスクーリングカリキュラムをご用意しています。
- 基礎栄養学、食事トラブル
- 薬膳
- ペットフード
- 病気と食時管理
このスクーリングは、会場で参加する「リアルセミナー」ではなく、ネット上で閲覧する「オンラインセミナー」にしています。理由は、日本全国に受講生がいる通信講座だからです。各会場へ足を運ぶ必要がなく時間を効率的に使っていただけること、また自宅で参加できることで大切なパートナー(愛犬愛猫)に長時間の留守番をさせなくて済む、というお声も頂戴しております。
オンラインですが、講師への質疑応答やクイズなどもあり、臨場感のある学びの場にできるよう、試行錯誤しています。
「ペット薬膳」、スクーリングでは何が学べる?
今回の薬膳スクーリングは、当講座の薬膳カリキュラムを担当する梅原孝三先生が講義。
テキストで学べることをより深く解説する1部、実際の悩み相談に薬膳の知識を使ってどう答えるかを学ぶ2部、質疑応答の3部構成で実施しました。
【1】中医学の基礎
・陰陽説
・気 血 津液
・体質
【2】ケーススタディ
・高齢による虚弱(気虚)
・嘔吐(痰湿)
・皮膚病(血虚)
・ストレス(気滞)
・暑がり(陰虚)
【3】質疑応答
【1】中医学の基礎
1部「中医学の基礎」から、中医学の基本となる考え方『陰陽説』を簡単にご紹介します。
自然界に存在するあらゆるものは陰と陽に分けられるという考え方を陰陽説と言います。
月と太陽、大地と空、植物と動物、雌と雄など。
大切なのは、どちらが良い、悪いということではなく、お互いに対立しつつも、補い合ってバランスをとっているということ。
要はどちらも必要な存在ということですね。
例えば、「暑い夏の日、犬に氷を与えても良いか」という質問に対し、陰陽説を使って考えることができます。
「暑いから冷やす」という視点だけでなく、犬一頭一頭の体質(陰体質なのか、陽体質なのか)や状況(暑い昼間か、涼しい夜かなど)から判断する際に、陰陽説は役立ちます。一頭一頭に向き合うために、大切な考え方です。
梅原先生の講義は、薬膳について季節や今が旬の話題を例に挙げながら薬膳について解説してくださるのでとってもわかりやすい!参加後のアンケートでは、初めて参加される人も2回目以上の方も、「新たな学びや気づきがあった」との回答をいただきました。
【2】ケーススタディ
参加者から好評だったケーススタディのうち、『高齢による虚弱』について、ご紹介します。
<ケース例>16歳 ミニチュアダックス
•最近眠ってばかり
•食欲は多少ある、太らない
•軟便が多い
•獣医学的検査で異常なし
西洋医学的には問題なしとされる場合も、中医学的に診ると「気虚」(「気」が不足している体質)という視点からアプローチすると良い事例です。
高齢犬に多い気虚体質。飼い主の方へ「愛犬は、疲れやすくないですか?」「四肢は冷たくないですか?」といった質問を行い、その答えから気虚体質の要素が強いかどうかがわかります。
※ペットフーディスト養成講座のテキストに「犬の体質チェックシート」があるので、それを活用します
また、当講座の副教材『愛犬のためのホリスティック食材事典』では、犬の体質別に適した食材を簡単に調べられるページがあります。スクーリングでは、気虚体質へのおすすめ食材として、鹿肉が紹介されていました。