ペットの食事と仕事 豆知識
2020年9月1日と8日に開催した「ペットフーディスト養成講座 スクーリング」【ペットフード】の様子をお届けします。
ペットフーディスト養成講座の「スクーリング」って?
ペットフーディスト養成講座のスクーリングは、テキストで行う通常学習に“プラスの学び”を提供するもので、1年に2回開催しています。
2020年の夏開催(8-9月)は、テキストの中から以下のスクーリングカリキュラムをご用意。
〇基礎栄養学、食事トラブル
〇薬膳
〇ペットフード
〇病気と食事管理
このスクーリングは、会場で参加する「リアルセミナー」ではなく、ネット上で閲覧する「オンラインセミナー」にしています。理由は、日本全国に受講生がいる通信講座だからです。各会場へ足を運ぶ必要がなく時間を効率的に使っていただけること、また自宅で参加できることで大切なパートナー(愛犬愛猫)に長時間の留守番をさせなくて済む、というお声も頂戴しております。
オンラインセミナーですが、講師への質疑応答やクイズなど、臨場感のある学びの場にできるよう、現在も試行錯誤しています。
「ペットフード」のスクーリングでは何が学べる?
講義を担当いただいたのは、ペットフードメーカー商品開発担当で、ペット栄養管理士の荒木孝信先生です。
タイトルは、『数字とパッケージから読み解くペットフードの本質』。
カリキュラムのラインナップはこんな内容でした。
・ペットフードのマーケット(市場特性、フードの分類ほか)
・ペットフードのパッケージ(成分とカロリー、原産地表示ほか)
・ペットフードの栄養(総合栄養食、犬猫と塩分ほか)
・ペットフードの安全性(添加物、食のリスクほか)
・ペットフードの構造(アルファ化、酸化ほか)
知っているようで知らないペットフード。さて、どんな世界が待っているのでしょうか。
セミナー中に何度も登場した言葉
1年、365日。
毎日、毎食、同じものを食べる。
毎日、毎食、それだけを食べる。
それによって健康を維持し、
長生きしなければならない。
ペットフードとはそういう食べ物です。
つまりその責任の重さは、人の食べ物の比ではないということ。
だからこそ、ペットフードはこのことを考慮して製造されています。そして、みなさんのペットフード選びは慎重に、真剣に、パートナー(愛犬愛猫)のことを考えて。最優先すべきことは【犬や猫が健康で長生きするために、何がいちばん大切なのか】です。
動物たちの命を預かるという重大な責任を抱えながらペットフード作りを追求し、世に送り出してきた荒木さんから見たペットフードの世界は、とてもホリスティックで、私に「今一度、考える時間」を持つことの重要さを教えてくださいました。
「ペットフードの適正給与量」は、どの個体にとっても”適正”?
ペットフードのラベルに書かれている適正給与量通りに与えているのに、パートナー(愛犬愛猫)が太ったり、痩せたりすることはありませんか。
同じものを食べていても太りやすい・痩せやすい人がいるように、犬や猫でも同じことが言えます。適正給与量はあくまでも目安と考え、体重や体調を観察しながら、あなたのパートナーにとって、最適な給与量を見つけることが大切です。
「犬猫に塩分は禁物」、本当ですか?
「犬は人間と違って汗をほとんどかかないから、塩分を排出できないので塩分は禁物。人間は汗をかくから、塩分が必要。」という話を耳にしたことがありますが、これって本当でしょうか。
実は人と同様に、犬や猫にも塩分が必要です。
体内の塩分は「汗」からしか排出されないように思われがちですが、実際は「尿」からも塩分が排出されます。ペットフードには、犬や猫に必要な量の塩分が含まれていますが、手作り食を与えている場合は、塩分が足りているかどうか確認しましょう。
これ以外にも、インターネット上にあふれる情報を鵜呑みにしてはいないでしょうか。
情報に惑わされない、一旦疑ってみる、自分で根拠を探してみる、など、落ち着いた気持ちで情報の真偽を確かめていきましょう。
ペットフードの世界を数字とパッケージから読み解いた後は、私にとって「ペットフードって奥が深い」世界でした。そして犬猫を取り巻く世界はとても広く、さまざまな業種の方のお話を伺うことは、興味深く、学びが多いことだとあらためて感じました。