ペットの食事と仕事 豆知識
ペットフーディスト養成講座の受講生・修了生向けに配信している『知識アップ情報コーナー』から、コンテンツを一部ご紹介します。
犬や猫がシニア期になると、消化力や代謝が低下したり、歯が抜けたりと、老化に伴う症状が出てきます。
ただ、いつまでも美味しいごはんを食べさせてあげたいのは、オーナー(飼い主)の変わらぬ願い。
そこで、人とペットの中医養生アドバイザー・齋藤まゆみ先生が、「消化の負担を軽減できる便利な調理器具」をご紹介します。食べることが大好きなパートナー(愛犬愛猫)のオーナー様、必見です。
便利器具1:ブレンダー
ブレンダーは、柔らかく煮こんだ野菜などを一瞬でポタージュ状にできる優れもの。
根菜類や海藻類などに含まれる食物繊維は、腸の蠕動運動を促進して排便を促したり、腸内環境を整えたりするのに必要ですが、体内の消化酵素では消化することができません。そのため、消化器に負担をかけずにその作用を活用できるように、食物繊維の多い食材はブレンダーでポタージュ状にして与えるのがおすすめです。旬の野菜を使ったポタージュは、たくさん作って製氷皿などで冷凍しておくといいですね。
ブレンダーを使ったおすすめレシピ『かぼちゃのポタージュ』
材料:かぼちゃ、水
作り方:
(1)一口大に切ったかぼちゃと水を鍋に入れ、かぼちゃが柔らかくなるまで煮る
(2)かぼちゃが柔らかくなったら火を止めて、粗熱をとる
(3)ブレンダーでポタージュ状にする
塩コショウすればオーナーも一緒にいただくことができます。また、豆乳などで伸ばしても美味しいです。
かぼちゃに含まれるビタミンAは脂溶性なので、ほんの少しのオリーブオイルを垂らして与えましょう。
便利器具2:フードドライヤー
フードドライヤーは、肉や野菜、果物などを低温で乾燥し、ジャーキーやドライフルーツなどを作れる調理器具。
シニア期は代謝が落ちてくるため、身体の負担を少しでも軽減できるように、添加物はなるべく避けたいものです。
フードドライヤーがあれば、食材をそのまま使用した無添加おやつを簡単に作ってあげられますね。
フードドライヤーを使ったおすすめレシピ『手作りジャーキー』
材料:鶏ささみや馬肉など、お好みの食材
作り方:
(1)材料を薄く切ってトレイに並べ、70℃~80℃で8~10時間乾燥させる
※製品によって設定温度や乾燥時間が異なりますので、ご注意ください
(2)出来上がったら、乾燥剤を入れた容器や袋で保存しましょう
便利器具3:ヨーグルトメーカー
加工温度と調理時間の設定ができるヨーグルトメーカーで、「手作り甘酒」を作ってみませんか?
甘酒は麹と水のみで作りますが、麹にはタンパク質の分解を促進する作用があると言われています。
タンパク質は身体の構成成分であり、エネルギー源となる重要な栄養素。20種類のアミノ酸で構成されていますが、体内で分解を繰り返し、最終的にアミノ酸の形にまで分解されて活用されます。
甘酒は、その「分解」を助け、消化の負担を軽減るために活用します。
ヨーグルトメーカーを使ったおすすめレシピ『甘酒』
材料:米麹 120g、水 500ml
作り方:
容器に米麹と水を入れ、55度・9時間に設定してスイッチを入れるだけ!
食事の時に少量飲ませたり(5kgの犬で、大さじ1杯程度)、ごはんにかけて与えたりするとよいでしょう。
甘酒を作る時にお粥を使う場合がありますが、犬や猫にとっては糖質が多すぎるので使用しません。水と麹だけでも十分甘いのでオーナー様も一緒に召し上がれます。なお、パートナーへの与えすぎは肥満につながるため、注意してください。
齋藤 まゆみ 先生
SMILEDOG主宰/人とペットの中医養生アドバイザー
愛犬とオーナー様の「笑顔と幸せな毎日」のために、日々の生活に取り入れられるホリスティックケアに関するセミナーを開催。また専門学校の非常勤講師や海外でのセミナー開催など幅広く活動中。
ペットフーディスト養成講座では、犬と猫の栄養学、手作り食、薬膳など、食事について詳しく学べます。