ペットの食事と仕事 豆知識
ペットフードの安全性を確認する方法の1つに「原材料のチェック」があります。
自分が「聞いたことがない」「正体がわからない」と思う原材料は、まずその内容を確認することが、安全かどうかを判断するための第一歩です。
今回は、ドライフードによく使われる原材料の一つ、「ミール(meal)」について、解説します。
ミールとは
ミールとは、肉類を乾燥させて粉状にしたものです。
加熱乾燥することで、生肉よりもタンパク質を凝縮させることができ、タンパク質が多いペットフードをつくることができるのです。しかし、ミールはペットフードとして加工する際に再度、高温で加熱されます。この過程で、肉本来が持つ旨み成分や香気が飛んでしまうため、フード粒の嗜好性が低下する可能性があります。そこで、多くのドライフードでは、粒表面に風味をつけ嗜好性を高めるためのコーティングを行い、それを補っています。
「家禽ミール」と「ミートミール」
ミールについては、「何の動物の、どの部位の肉を使っているか」も確認する必要があります。
中でもわかりにくい「家禽」と「ミート」については、AAFCOにて定義づけられています。
■家禽ミール
家禽とは、肉・卵・羽毛などを利用するために飼育する鳥の総称。
家禽ミールとは、清潔な家禽の一部もしくは丸鶏(骨の有無は問わない)と皮をレンダリングして乾燥させたもの。羽毛、頭、脚および内臓は含まない。
■ミートミール
哺乳動物の組織からレンダリングして得られた原材料。血液、毛、蹄(ひづめ)、角、皮、糞尿、胃および第一胃の内容物を含まない。
家禽ミール用の「家禽」にはさまざまな鳥が含まれ、その種類は問わないことになっています。もし、鶏だけ使用している場合は「チキンミール」、七面鳥だけであれば「ターキーミール」と記載することができます。
ミートミールは、牛、豚、羊、ヤギ、またはそれ以外の哺乳類でも良いとされています。家禽ミール同様、牛だけ使用しているのであれば「ビーフミール」、子羊だけであれば「ラムミール」と記載することができます。
かつてミートミールで特に問題視されたのは、4D ミート(Dead:死亡、Diseased:病気、Dying:瀕死、Disabled:障害)の使用です。AAFCOの定義には説明がありませんが、「レンダリングプロセスは高温処理によって病気の原因となる細菌を破壊し、肉食動物の味覚にかなう高タンパク質を残している」というような説明があります。ミートミールは食材の種別が曖昧な点はありますが、衛生面でのリスクはありません。
ただ、消費者はこれらを懸念する方が多いことから、原材料が不透明なミールを使用しない方針を採用しているメーカーが増えました。また低品質なものと区別するため「新鮮な」と記載したり、動物種や使用部位を明記したり、安全性に関する情報を公開したりしています。
商品情報を知り、納得したものを選ぶようにしましょう。
大切なのは、理解し、納得して選ぶこと
このように、「ミール」は、曖昧な点があり不安もありますが、効率的にたんぱく質を摂取できるというメリットがあります。
大切なのは、それを理解した上で、「自身のパートナーに何を優先し、ペットフードを選ぶか」です。
そのためには、情報開示をしてくれるメーカーを選ぶことが、第一歩と言えるのではないでしょうか。
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