ペットの食事と仕事 豆知識
私たちは、自分の食事を考えるときは、栄養面よりも「食べたいもの」「美味しさ」を、優先して考えることが多いですよね。
ところが、パートナー(愛犬愛猫)の食事となると、「栄養が足りているかしら?」と、栄養の視点で選ぶオーナー(飼い主)が多いように思います。おそらく、犬や猫は自分で食事を選ぶことができないから、そして家族であるパートナーの健康を願うからこそですよね。
ということで、本日は「適切な食事」を考えるための基本のき・「栄養」と「栄養素」のおはなしです。
「栄養」と「栄養素」は違うもの
日常では、栄養と栄養素は同じ意味で使われることが多いのですが、本来は違う意味を持ちます。
そして、その両方を知ることが、適切な食事選びには大切です。
■栄養:
生物が、生命体の維持、成長、繁殖などさまざまな生命活動を営むために、体内に必要なものを取り入れ、不必要なものを排泄する。この生命の営みを「栄養」といいます。
■栄養素:
「栄養」という生命の営みの際に取り入れる物質を「栄養素」といいます。
栄養素は、「水」「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」に大別され、6大栄養素と呼びます。
栄養について理解を深める
多くのオーナーは、「何を与えるべきか?」「どのフードがいいのか?」をまず気にします。
ですが、その前に「どう消化・吸収・代謝するのか?」を知ることが大切。それにより、目の前にいるパートナーにどの栄養素が必要か、だからどの食事がいいのか?が判断できるようになるのです。
つまり「栄養素」を知る前に、「栄養」について知る必要があるということです。
栄養素はバランスが大切
6大栄養素にはそれぞれ異なる働きがあり、何を・どれだけ・どのようなバランスで食事から摂取するかが、健康状態に影響を与えます。
例えば、タンパク質は「エネルギー源」と「身体をつくる」という働きがありますが、脂質や炭水化物の摂取が不足すると、エネルギー供給をタンパク質だけで賄う必要があります。すると、「身体をつくる」役割が果たせなくなり、成長が遅れたり筋肉量が減ったりするなどの影響が出てきます。また、ビタミンやミネラルなどは、過剰に摂取することで、中毒やさまざまな疾患につながることもわかっています。
つまり、必要のない栄養素はありませんが、不足も過剰も健康への影響があるため、各栄養素をバランスよく摂取する必要があるのです。そして、そのバランスは、犬、猫、人間では違うため、それぞれにとっての最適なバランスを知る必要があります。
適切な食事を選ぶために
まとめになりますが、大切な存在であるパートナーの食事を選ぶには、
◎犬や猫の食性や消化・吸収・代謝という「栄養」の仕組み
◎それぞれの「栄養素」の働き
これら両方を理解することが大切です。
ペットフーディスト養成講座では、犬と猫の適切な食事選びのための栄養学や消化の仕組み、食事スタイルごとの特徴を学べます。