修了生の声
ごはんの窓口 パルコヤ上野店
井津晴菜さん【3期生】
東京上野・御徒町にある「ごはんの窓口 パルコヤ上野店」で活躍する井津 晴菜さんをご紹介します。
お店に伺い、お仕事の様子ややりがい、目標などをお聞きしました。
きっかけは、パートナーの病気
食べることが大好きなパートナー・チワワのルークくんが4歳のとき、膝蓋骨脱臼と前十字靭帯損傷をたて続けに患い、さらにはそれがよくなりかけたときに、急性膵炎を発症してしまったそうです。
病院に通い治療を行い、なんとか落ち着いてきたときに、今後どのような食事をしていけばいいか、獣医さんに相談したそうです。アドバイスの内容は「関節に負担をかけないよう、タンパク質をしっかりとり、筋肉をつけることと、同時に膵臓のためには、脂質をおさえるように」だったとのこと。
ただ、それまでルークを心から愛し、大切に育てていたものの、食事や栄養については知識がなかった井津さんは、大混乱。どうやって関節と膵臓を守りながら健康を維持すればいいか、不安になったそうです。
結局、療法食しかないのか……と。
大事に育てているつもりだったのに、こうなったことに心が痛み、食事について、いろいろ調べるようになりました。ただ、ネットで調べたり、人に聞いたりするだけでは納得のいくものがあまりなかったため、自分で答えを探せるようになりたいと思い、ここから井津さんの食事の学びがスタートしました。
そしてたどり着いたのが、「ペットフーディスト養成講座」。その受講申し込みとほぼ同時期に、「ごはんの窓口」のスタッフ募集があり、即応募し、働くことになりました。
現在の仕事は、「オーナーとパートナーに寄り添うこと」
「ごはんの窓口」では、ペットフーディストとして、食事の悩みを抱えたオーナー(飼い主)さまにカウンセリングを行い、単に商品を販売するだけではなく、さまざまな解決策の提案を行っているそうです。
心がけているのは、
・オーナーさまに寄り添うこと
・学び続けること
・自分も飼い主であり続けること
パートナーを一番愛し、一番知っているのはオーナーさまなので、決して上から目線でアドバイスをするのではなく、寄り添い、一緒に解決策を模索するようにしているとのことです。
何度も来店してくださることが何よりも喜び
お仕事中に出会った、あるお客様のお話をしてくださいました。
そのお客様のパートナーは元保護犬で、そのためフィラリア陽性で治療中でした。
ご来店時のお悩みは咳が出ることで、何か症状に合わせたものがあれば買いたいとおっしゃり、商品をご提案しました。
その時、パートナーに触れさせていただきながら、最初は人を怖がっていたことや、抱っこされることが苦手で前開きのバギーしか乗れないことなど、いろいろなお話を伺いました。
ご提案した心臓ケアの商品をとても気にいってくださり、その後も継続してご来店いただき、咳の症状が落ち着いてきたとのお話には、本当に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
そんなある日、いつも通りにオーナー様とパートナーがご来店。
とてもにこやかな雰囲気の中で、『フィラリア陰性でした!』という言葉をかけられ、嬉しさと同時に胸がスッと軽くなるような感覚がありました。
私たち人間の無責任な行動が原因の1つとなり、フィラリアという病気を抱えてしまったこのパートナー。けれど、大事に守ってくれるオーナー様に出会えたことで病気と戦い、勝つことができた。このパートナーを通して、「ペット業界で働いていく以上、こうした問題から目を背向けずに向き合っていかなくてはならない」と強く感じました。
その後、そのパートナーの症状はずいぶん落ち着いたそうで、今ではご来店の際に『おいしいおすすめの商品ありますか?』と聞かれることに、私も喜びを噛み締めています。
経験を積みながら学び続ける
井津さんは、社内研修だけでなく、グループ会社が運営する獣医師が行う研修や、外部での研修によって知識を高めつつ、毎日の接客でも学びを深めているそうです。
来店されたお客様へのカウンセリングの内容を書き留め、もっとよい提案はなかったかと振り返ったり、同じお店のスタッフと悩み別にお客様の情報を共有し、お互いにフィードバックしながら、チーム全体での知識向上に努めているそうです。
将来の夢は、ペットフーディストを獣医師くらい広めること
「将来の夢は何ですか?」の問いに、こんなことを笑顔でお話してくれました。
「ペットフーディストがもっとたくさん誕生し、もっと身近な存在になれば、多くのオーナーさま、パートナーが健康で幸せになれると思う。病気になっても、療法食一択ではなく、食の楽しみを犬たちに届けてあげることができると思います。今は、ごはんの窓口というフィールドで目の前のお客様に健康と笑顔を届けるお手伝いをしていますが、いずれはもっと広いフィールドで活躍したいです。より多くのパートナーが健康でおいしいごはんを食べ続けていけるよう、栄養学はもちろん、病気のことや今置かれている実情や問題にも向き合い、学び続けていこうと強く思っています。」
井津さんのパートナー・ルークちゃんは、愛情たっぷりの美味しいごはんで、症状も落ち着き元気にしているそうです。
取材を終えて……
ペットフーディストになってまだ1年の井津さんですが、素直さと勉強熱心な行動により、お店では店長の次に頼りになる存在の成長株。
これからも学び続け、多くのオーナー様、パートナーに健康と笑顔を届けてくれると期待したいですね。
※「ごはんの窓口 パルコヤ上野店」のインスタグラムは井津さんが担当しているそうです。
ぜひ覗いてみてください。